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サッカーにおけるインテンシティ【強度】とは?

★インテンシティ=強度の高さは「考える」ことに関係する

一般的に現在の日本サッカーでほとんどの指導者・選手・保護者の方などがイメージする「プレー強度」が何を意味するかというと以下の通りです。

(一般的)激しさ、強烈さ、強さ
(守備)あたりの強さ、プレスの速さ、球際の強さ
(攻撃)ボールの動かし方の速さ(パスワーク)、攻撃の鋭さ

こう考えると強度=インテンシティとはプレーの強さや速さと言えますが、実はこの強度=インテンシティが高い・低いには『考える』という要素が大きく影響しています。

単純に言うと「迷いながらの動き」には「いくつかある選択肢の中からどれを選ぼうか?」としている状況なので動きが遅くなる。

また「どうしていいか分からない」といった状況でも当然動きは遅くなります。

当然インテンシティが下がると守備でも攻撃でも相手を圧倒することができず試合を有利に運ぶことができません。

これが『戦術的な負荷がかかっている状態』です。

つまり「何も考えていないとインテンシティは上がり」反対に「戦術的な負荷がかかっているとインテンシティは下がる」ということになります。

では、戦術的負荷とはどのようなものでしょうか?

例えば攻撃時に自分が中盤で受ける際にマークをつかれたとします。ボール保持者に対して何も考えずにボールを受けるのではなく、コースを切られたフリーになる仲間に対してボールを届けるためにサポート、さらにそれでも押し出してマンツーマンでプレスに来る場合は最も最前線の選手からボールを受けるためのサポートを考えてプレーをする。

このように考える要素が多くそれを無意識に実行できないレベルだとすると、常にいろんな要素を「考えながらプレーする」必要があります。

もしほとんどサッカー経験がない選手にこのような複数のタスクを与えると、めまぐるしく状況が変わる中では上手く反応できません。

つまり「戦術的な負荷=戦術的に考える要素」が多すぎて動きが遅くなります。

これは守備面でも同じで、正しいポジションを常に意識して、パスコースを3本以上消して最終的にチャレンジできる状態を作る選手と、何も考えずに目の前の相手にだけチャレンジする場合は強度が変わります。

選手が「意識しないとできない戦術的なタスクが多い」とプレーに迷いが出たり、判断が遅くなり結果としてプレー強度、インテンシティが下がります。

※「戦術的負荷」以外にもインテンシティが下がる原因として、コンディションやメンタル(緊張・ネガティブ)の要因もあります。

そのためにも

タスクを無意識で実行できるレベルに引き上げる

無意識で実行できるレベルに引き上げることは、日々のトレーニングで行うものです。

トレーニングの中で選手にいくつかのタスク=制限をを与え、原則を習得する。それが無意識でできるまで繰り返す。

そうすると無意識でできることは「考えていないことと同じ」なので「複数のタスクを抱えながら」もインテンシティを高く保つことができます。

このような考えはゲームモデルにおけるプレー原則と関係します。

★METAで考えるジュニア(小学生年代)の課題

地域や学年によって違いはありますが、ジュニア年代では多くのクラブが「強度=インテンシティだけに頼ったプレー」が多く見られる傾向があります。

例えば低学年であれば技術がまだ未熟であれば守備のインテンシティをひたすら上げるだけでボールを奪いやすくなります。



当然守備において「プレー強度が高い」ことは必須で、最低条件なので問題ないですが、それだけを高学年まで継続して行くと、サッカーにおける重要な要素である「戦術(=本当に優位なプレー)を学ばない」ことにつながります。

このような守備の仕方は相手の攻撃レベルが上がると無効化します。

プレッシング方法やカバーリング、スタートポジション(正しい立ち位置)やゾーンでのマークなどの「守備の個人戦術」を実行できないレベルだと、相手がテクニックもありなおかつオーガナイズされた攻撃をする場合、「インテンシティの高さだけの守備」では対応できなくなります。

選手のレベルや学年が上がるにつれて、その年代で必要な、もしくは理解し実践できる戦術を教えて行くことはMETAとしてとても大切にしている重要な指導ポイントです。

私たちMETAサッカースクールでは対人の強度=インテンシティ(もちろん原則を把握した選手には徹底して求めます)だけではなく、学年に沿った基本的な個人戦術=脳の強度も入れたトレーニングで選手のクオリティを向上させます。

最終的にフィジカルだけではなく、「知性」があるアスリートの輩出を目指しています。

METAでどのような脳の強度を上げるトレーニングをしているのか?

「認知」の基本的なメニュー例を紹介します

学年によってメニューの構成で負荷(スペース・人数)を調節していますが基本的に習得させたいコンセプトは同様です。上記メニューでは「何をいつ、どのように見たら良いのか」を習得させるための「認知」のトレーニング内容です。METAではコンセプトの前に、「ゴール」を持たせる&個人技術の要求は徹底的にしていますが、一定のレベルに達してきたら個人戦術コンセプトの割合を増やしていきます。

是非体験してトレーニングでの意図など感じてください。個人で打開(ゴールを取る・守る)をベースに、賢く、アグレッシブで、上手い選手を育てていきます。

METAサッカースクールスタッフ